バルセロナ旅行記 グエル邸

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バルセロナ旅行記 グエル邸

2018年12月、シニア夫婦でバルセロナに1週間旅行に行ってきました。

ツアーではない個人旅行で、すべて自分たちで計画・予約しました。

今日はグエル邸をレポートします。

大迫力の鉄の大扉

バルセロナで一番にぎあうランブランス通りを曲がってすぐの所にあるグエル邸。

ガウディの作品ではめずらしく地味で、観光客が並んでいないと見逃してしまいそうな外観です。

外側の地味さからは想像できない豪華な家の中は、当時のブルジョワジーの金に糸目をつけない贅沢な暮らしが想像できる豪華な作りでした。

当時バルセロナでは例のなかった鍛鉄製の格子扉は、外からは中が見えずプライベートを守る一方、内側からは見える仕掛け。扉の上方に家主グエルのイニシャルが刻まれているそうです。

グエルとは?

アントニィ ガウディの良き親友であり、最大のパトロンであった実業家エウセビ・グエル。

キューバで財産を築いた父がバルセロナで始めたビジネスを更に発展させ、繊維業を初めとして銀行、タバコ会社も経営し当時の地元経済界を代表する実業家。また政治家としてスペイン上院議員、カタルーニャ文化の後援者としても知られました。

グエルは、後年、伯爵号を授与されました。

旧市街にたたずむガウディ初期の傑作

若きガウディにとって、グエル氏の地位と財力に相応しい住まいを設計することは、持てる力を全て発揮し理想を実現できる舞台が与えられたという事。

4年の歳月、渾身の力を注ぎ1886年この邸宅を完成させその期待に応えます。

完成後にグエル伯爵は出来栄えを大変気に入り、当初は別館として建てられたこちらに移り住んだほどです。

このガウディの初期の傑作であり、またその後の数々の作品のエッセンスが凝縮しているグエル邸。500平方メートルほどの土地に建つ地下1階地上4階の建物は、外観からでは想像もつかない華やかさでした。

それだけではなく、設計段階でグエル一家の生活様式までも考えた、非常に機能的な作りです。

地下の厩舎

当時はまだ自動車がなく、馬車で出かけていました。

馬車は建物内にまで入るのですが、その際は正面の大扉をくぐりエントランスまで入りました。さらに馬はスロープを降り、地下厩舎へと進みました。

ここでの最大の見どころは、重厚なレンガの柱と建物の床を支えるカタランボールトと呼ばれる伝統工法を用いたアーチです。

この厩舎で用いられているのは、カトリック文化とイスラム文化が融合したムデハル様式です。

この壁にある金具に、実際に馬がつながれていました。

屋敷の中に厩舎と言うと馬の臭いが気になりますが、換気構造を建物全体に採用し、臭いがこもらないようにと言う隠れた配慮までされています。

その奥にあるくぼみに、馬のエサの草などを収納していたようです。

厩舎から居住区を見上げたところ。

正面玄関からの居住空間

大理石の柱が並ぶ正面玄関の階段です。

このエントランスの階段や柱を始め、邸宅内には様々な大理石や天然石がふんだんに使用されています。それは全てグエル所有の採石場から持って来たものです。

贅をつくすってこういうことですね。自分の山からとれた大理石って Σ(・□・;)

階段を上ったところにあるのは、カタルーニャ州旗をもとにデザインされた輝くステンドグラス。そこには、カタルーニャ人としてのグエル伯爵の誇りとアイデンティティを感じさせます。

つい最近も独立騒動がありましたね。いまだにカタルーニャ地方の人は独立心が多いのだそう!!

各部屋の扉も、豪華な装飾が施されています。

グエル一家の生活の場 2階応接間と食堂

階段をのぼったところにあるホール。
グエル一家の生活の場であった応接間と食堂のある二階。

床も柱も大理石で、それぞれデザインがちがいます。

ホールから、グランドピアノがある応接間をのぞんだところ。

応接間のグランドピアノ。ここでグエルのお嬢様さたちが演奏していたのでしょうか?

グランドピアノの奥のステンドグラスも美しい

応接間の張り出し部分にはベンチが作り付けられ、当時革新的な水平回転式のブラインドを採用。機能的な採光調節を可能にしました。

重圧な感じのダイニングのテーブルと椅子

どんなお料理がこのテーブルに並んだのでしょう?

グエル邸のあちこちにステンドグラスがあります。すべて違うデザインなのに、すべて違和感なくまとまっているのは、やはりガウディの才能がなせる技。

グエルの父親が住んでいた本邸に続く廊下。

ここ廊下のステンドグラスは、ところどころに透明なガラスを入れ、光を取り入れてあります。

中庭から応接間の出窓を見たところ。

ここは、外の通りに面した廊下。
ここでも大理石の柱が美しい。

豪華絢爛 グエル邸のサロン

通りに面した廊下から、サロンの入口をのぞんだところ

グ エル邸の一番の見所と言えるのは何と言ってもこの中央サロン。
2階から4階まで吹き抜けの空間で、広く感じられるように作ってあります。
ドーム天井から自然光が降り注ぎ、どこか神秘的です。

このサロンは、ある時には教会、ある時には社交場やコンサートホールなど、まさに多目的ホール。当時のブルジョワの優雅な住まいがここに凝縮されています。

この奥にはパイプオルガンが収納されています。
今でも時々演奏されるそうで、運が良ければ聞けるのだとか。残念ながらこの日は演奏されていませんでした。

この部屋の金色のドアを開けると小さ な礼拝堂がしつらえてあります。その日の行事の内容で、扉を開けたりとじたりして使っていたそうです。


上の写真 は礼拝堂向かいの楽団室へ上る階段。特別な晩さん会の時などには、楽団や合唱団を招いて生演奏が行われました。グエル伯爵の娘は音楽家だったそうで、この サロンには常に音楽が流れていた事でしょう。


上の写真 は礼拝堂向かいの楽団室へ上る階段。特別な晩さん会の時などには、楽団や合唱団を招いて生演奏が行われました。グエル伯爵の娘は音楽家だったそうで、この サロンには常に音楽が流れていた事でしょう。


こちらがサロンの横に収納されているパイプオルガン。

プライベート空間

ここからは、さらに上の階のプライベート空間などです。

なんと家の中にビリヤード場が!

こんなところも大理石でできています。

その当時使っていた椅子。

ステンドグラスが美しい。

お手洗い

個室の壁紙

煙突が立ち並ぶ屋上

ポップな煙突が立ち並ぶ屋上にはまた別世界が。
ここグエル邸でも、ガウディは煙突にも装飾をほどこしています。

色鮮やかな煙突が立ち並ぶ屋上は、重厚な雰囲気の居住部分とは打って変わって遊び心が一杯。

ガウディの建築の中でも初期の作品であるグエル邸。

旧市街のラバル地区に位置するこのグエル邸。狭い敷地である事や、隣接するグエルの父の邸宅とも連結させなければならない事、 さらに通気や採光、音響など多くの制約がありました。

その限られた条件の中で、美しさと機能性をそなえなければならず、むずかしい建築だったことでしょう。そんな厳しい条件をすべてクリアし、実業家グエルにふさわしい住まいを完成させたガウディという天才の痕跡を見ることができます。

私の個人的意見ですが、カサミラやカサバトリョより好きでした。

落ち着いているけれど、豪華で華やかな邸宅。日々の暮らしを華やかに、そして穏やかに暮らすのに最適だったことだろうと思います。

これが公共施設や商業施設ではなく、単なる一個人の家。グエルの実業家としての成功をすべて表現している家。グエルの期待に応え、期待以上の邸宅を作り上げたガウディ。バルセロナという街の歴史と奥深さを感じられる空間でした。


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