米国 ウイグル人権法成立 これはどういう事なのか オバンでもわかる世界情勢

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米国 ウイグル人権法成立 これはどういう事なのか オバンでもわかる世界情勢

2020年6月17日、アメリカのトランプ大統領はウイグル人権法に署名しました。

米国 ウイグル人権法成立 これはどういう事なのか オバンでもわかる世界情勢

アメリカ議会下院は2020年6月3日、中国の新疆ウイグル自治区のウイグル族を弾圧する中国当局者に制裁を科すようトランプ政権に求める「ウイグル人権法案」を可決しました。

どういうことかと言うと

・ アメリカの政府に対して、ウイグルのことを調べて現状を議会に報告するように要求しました
・ アメリカ大統領に対して、ウイグル人を弾圧している人を調べて、そのリストを提出するように要求しました
・ 加害者のアメリカ国内の金融資産を凍結する事
・ 加害者がアメリカへ入国する事を禁止

というような内容です。

これを受けて、2020年6月17日、アメリカのトランプ大統領は、ウイグル人権法に署名したという流れです。

これに対し中国の外務省は声明で、法案可決は「内政干渉だ」として「強烈な憤慨と断固とした反対」を表明しました。また「状況によっては対応を打ち出す」と警告しました。

このニュース、もう少し調べてみました。

ウイグルで何が起きているのか?

Amazonの解説より

収容者数100万人といわれ、米国務省がいま世界的な人権問題として警鐘を鳴らすウイグル人の強制収容。中国はなぜ彼らを恐れるのか?
中国共産党に忠実で、清く正しい人々。ゴミ一つ落ちておらず、スリもいない完璧な町。だが、この地のウイグル人たちをよく観察してみると、何かがおかしい。

若い男性は相対的に少なく、老人たちに笑顔が見られない。観光客に接する女性たちの表情は妙に硬い。いまSF小説の世界にも似た暗黒社会が、日本と海を隔てた隣国の果てにあることを誰が想像しただろうか。

さらに共産党による弾圧の魔手は、いまや在日ウイグル人にまで及んでいるという。現地ルポとウイグル人へのインタビューから浮かび上がる「21世紀最悪の監獄社会」の異様な全貌。「一帯一路」という大国の欲望に翻弄された弱小民族の悲哀が浮かび上がる。

序 章 カシュガル探訪――21世紀で最も残酷な監獄社会
第一章 「再教育施設」の悪夢――犯罪者にされる人々
第二章 民族迫害の起源
第三章 世界の大変局時代における鍵――米中そして日本

amazonのレビューより

まず2019年5月、福島香織氏が約20年ぶりにカシュガル(新疆ウイグル自治区カシュガル市)を訪れたことが書かれている。20年ぶりに訪れたカシュガルは、完全に中国の町になっていた。中国語が普通に通じ、至る所に共産党の標語、スローガンの垂れ幕があった。
そして警察官がやたらと増えていた。ホテルに到着すると、防刃チョッキを着た女性警官に出迎えられ、荷物と身体チェックを受けた。空港にあるようなX線の透過装置と金属探知機のゲートが入り口に設置され、必ずチェックを受けなければならない。ホテルだけでなく、スーパーも地下道も、ショッピングモールも必ず出入り口でX線による安全検査と金属探知ゲートによるチェックを求められた。
また市内のあちこちに、日本の交番に当たる「便民警務ステーション」があり、その数は、東京の繁華街のコンビニ以上の密度である。更に監視カメラが数十mに数個の割合で設置されていた。
カシュガルはどこもかしこも美しかったが、人々に笑顔はなく、全部作り物のようだった。そこに住んでいるウイグル人たちは異常な緊張感の中で怯えながら暮らしている。ウイグルの町は、ウイグル人にとっては巨大な監獄なのである。

2018年8月にジュネーブで開かれた国連人種差別撤廃委員会では、最大200万人規模のイスラム教徒が中国で強制収容施設に入れられて再教育を受けている、と報告された。「再教育施設」とは、ウイグル人から尊敬と信仰と伝統と文化を奪い、ウイグル人そのものを中国人に改造する非人道的施設である。
その「再教育施設」に収容されたのち、奇跡の生還を果たしたウイグル出身のカザフスタン人の生々しい体験談が報告されている。連日拷問を受け続け、体重は半分に減り、多くの仲間が消えていった。彼が釈放されたのは、カザフスタン国籍を持つ社会的地位のある人間であったことが大きい。しかし、彼の両親、親戚ら13人は強制収容所に送られ、彼の父親は収容所で死亡したという。
この「再教育施設」が登場したのは、2014年4月、習近平が国家主席となって初めて新疆ウイグル自治区を視察した際、ウルムチ南駅近くを訪れた直後に爆破テロ事件が起きたことがきっかけだった。習近平は自分を狙った暗殺未遂だと怖れおののき、この時、ウイグル人への強い恐怖と憎しみを植え付けられたという。この体験が「ウイグル人に対しては徹底的な思想教育が必要」という認識に至り、「イスラム教の中国化」「ウイグル人の思想再教育」を強く推し進めたのである。
2014年7月、まず地域の共産党員、共青団員、公務員に対して、イスラム教の信仰禁止、ラマダンへの参加禁止、モスクでの礼拝禁止の徹底が通達された。その制度のターゲットは間もなく一般ウイグル庶民に広がり、2016年8月に新疆ウイグルの書記に”陳全国”が就任してから、再教育施設は急速に拡大した。彼が習近平に気に入られたのは、チベット弾圧の成果を評価されてのことだという。
陳全国の対ウイグル政策は、対チベット以上の苛烈さだった。イスラム教徒であるウイグル人が普通に信仰の自由を行使して、イスラム教の習慣に則った結婚や葬儀や子供の教育を行ったり、豚肉を食べることを拒否したり、ベールを被ったり髭を蓄えたりすれば、過激化しているとのレッテルを貼られ、再教育施設送りになり、財産を没収されるのである。
陳は更に、地域全体を網羅するようなインターネット監視網を構築し、ウイグル人の私生活にまで踏み込んでいった。住民は皆、身分証番号と住所、使用しているパソコン、携帯電話・スマートフォンなどの登録が義務付けられた。更に所持している携帯電話には監視アプリのダウンロードが義務付けられる。GPSで24時間、居場所が分かるので、スマートフォンの持ち主が普段と違う通勤路を通っただけで、警官からその理由を問われた、という報告もある。
またウイグル人家庭に対する漢族公務員、或いは民間監視委員の突然の訪問は頻繁に行われるが、こんな時、ウイグル人は笑顔を貫かねばならない。嫌な顔、抵抗の様子を見せようものなら、再教育施設に送り込まれる。
ウイグル人の個人情報、つまり職業、宗教信仰、パスポートの有無、人間関係、家族関係、渡航経験、SNS上の発言、ネット上の閲覧、ダウンロード記録、血液・DNA・虹彩・指紋といった生体情報、位置情報までありとあらゆる情報が中国当局のサーバーに集積されている。なぜここまでウイグル人が管理されるのかの理由として、「臓器移植」のドナー候補として狙われているのではないか、との恐怖がある。
中国では、死刑囚の臓器が移植の為に利用され、2015年以降は全面禁止されたはずなのに、移植手術件数は順調に伸びている。とすると、ウイグル人の臓器が使われているということにならないか。
実際、英国に亡命中のウイグル人医師が以下の証言をしている。長期間失踪後に戻ってきた子供の体に手術跡があり、腎臓が1個取られていた。少なからぬウイグルの子供が失踪しているという。また彼は、主任医師に刑場に連れていかれ、処刑された遺体から臓器を摘出するよう命じられ、メスを入れたところ、心臓がまだ動いていたという。
移植希望者が現れてから、DNA登録がしてあるウイグル人のデータを検索して適合する相手を見つけ、その人物を再教育施設に収容し、”個人の希望”でドナー登録し、”不慮の事故か病気で”収容先で死亡したとしたら、臓器を利用しても”違法ではない”と言い張ることはできる。
その医者は英国人ジャーナリストに自分の知っていることを話し、ドキュメンタリーの中で素顔を晒したので、故郷に永遠に帰ることができなくなった。18年後、彼と再会した娘は「恨んだこともあった」と言ったが、ドキュメンタリーを見て、父親が故郷を離れざるを得なかったことを理解したという。

まだ半分ほどしか読んでいないが、恐ろしい話ばかりだった。また福島香織氏の行動力や記者魂(お金をわざと落としてウイグル人がどんな反応をするか見てみたり、テロリストに間違われた時、日本人パスポートを出せば、すぐに解放されたのに、成り行きを見届けたくて最後まで提示しなかったなど)に、感心させられることしきりだった。

amazonのレビューより

福島香織氏の『ウイグル人に何が起きているのか 民族迫害の起源と現在』 (PHP新書)を読んだ。

(こんな内容)→収容者数100万人といわれ、米国務省がいま世界的な人権問題として警鐘を鳴らすウイグル人の強制収容。中国はなぜ彼らを恐れるのか?中国共産党に忠実で、清く正しい人々。ゴミ一つ落ちておらず、スリもいない完璧な町。だが、この地のウイグル人たちをよく観察してみると、何かがおかしい。
若い男性は相対的に少なく、老人たちに笑顔が見られない。観光客に接する女性たちの表情は妙に硬い。いまSF小説の世界にも似た暗黒社会が、日本と海を隔てた隣国の果てにあることを誰が想像しただろうか。
さらに共産党による弾圧の魔手は、いまや在日ウイグル人にまで及んでいるという。現地ルポとウイグル人へのインタビューから浮かび上がる「21世紀最悪の監獄社会」の異様な全貌。「一帯一路」という大国の欲望に翻弄された弱小民族の悲哀が浮かび上がる。
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著者は20年前に観光旅行として両親と共に訪れた「カシュガル」(新疆ウイグル自治区カシュガル市)に、2019年5月訪れた。

20年前のカシュガルでは、中国語も通じなくて、漢族もほとんど見かけず、女性はスカーフに長いウイグル風のスカートを来ていたそうな。「中国臭さ」のない「異国情緒」漂うところだった。

ところが今回は…。

「完全に中国の町になっていた。観光客は百%漢族」「羊がすっかりいなくなっていた。代わりに、警官がやたら増えていた。20年前は、町中で警官の姿はそんなになかった」……。

いたるところに、「民族団結一家親」等々の中国共産党のスローガンの垂れ幕があったという。
ホテルの入口には金属探知機ゲートがあり、寺院前広場の脇には大型スクリーンがあり、習近平がウイグルの子供たちに囲まれて笑顔を見せている写真が投影されている。

そうした実体験、見聞録をもとに、ウイグル亡命者のさまざまな証言をまとめ、ウイグルの歴史を論じた書なり。民族文化を抹殺し、民族の「血」も薄めようとする中共(中国共産党)の恐るべき施策の数々が、実証的に描かれている。

一読して、21世紀の今日、こんな野蛮が許されていいものかという憤りを覚えずにはいられなかった。
これはまさしくジョージ・オーウェルの『1984』 (ハヤカワ文庫)、アーサー・ケストラーの『真昼の暗黒』 (筑摩書房ほか)の世界そのものではないか。「収容所」でのウイグル人弾圧の実態は、ナチのアウシュビッツにも匹敵する野蛮というしかないだろう。

福島さんは、ウイグルで活躍していたものの亡命を余儀なくされているラビア・カーディルにノーベル平和賞を授与することによって、中共の野蛮行為にブレーキをかけるべきだと主張しているが同感だ。かつて、ダライ・ラマに授与された時、ぶつぶつと文句を言った朝日新聞(論説委員室)とて、今回は言えまい?(いや言うかな? ネバーセイネバー)。

ともあれ、彼女の自伝『ウイグルの母ラビア・カーディル自伝  中国で一番憎まれている女性』 (ランダムハウス講談社)も併読をお勧めしたい。一読の価値がある。共産主義と闘った人権運動家の自叙伝であり、文字通りの「名著」だ。日本での講演も聞いたことがある。

また、彼女をはじめとするウイグルの海外亡命者たちの足跡を追った水谷尚子氏の『中国を追われたウイグル人 亡命者が語る政治弾圧』 (文春新書)も重要だ。

こういう中共や北朝鮮の人権弾圧をまったく無視して、平然とアジアの人権問題を語る本や人が稀に(いや結構?)いるけど、かなり不可思議な脳構造の持ち主というしかない(例→伊藤和子氏の『人権は国境を越えて』岩波ジュニア新書。これは共産圏の人権抑圧には「沈黙」する奇妙な「迷著」!)

私は、最近までウイグル人が中国共産党から、こんなひどいめにあわされていることさえ知りませんでした。

こんなことがあるので、香港の人々は「次は自分たちがこんなめにあわされる!」と必死だったのですね(涙)

これは100年や200年の昔の出来事ではないのです。

21世紀の今おこっていることなのです Σ(・□・;)

臓器移植とウイグルの強制収容書との関係

中国では、最近、臓器移植が盛んに行われています。

日本では、臓器移植を待っている患者さんは、適合する臓器を数年待たなければならないとされています。それに間に合わなくて亡くなる方も大勢います。

ところが、中国では数日待つだけで臓器移植が受けられるのです。

中国人のみならず、世界中から臓器移植を受けるために人々が来るというのです Σ(・□・;)

その臓器はどこから来るのか?

死刑囚の死刑が履行された時?

それだけでは到底たりる数ではありません。

強制収容書で何が起きているのか、考えるのさえイヤなのですが、想像どおりのことが起きているとしか思えません。

習近平は、ウイグル民族そのものを消滅させようとしているのです。

なんとしても、ウイグル人に対する人権侵害を、世界が力を合わせて回復させなければなりません。

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