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センスは変わることがない センスが悪ければセンスを必要としない仕事に就く方が無難

今は引退して森川農園のオカンをしています。

元はニットデザインをしていました。手芸本に、編み物の小物やウエアのデザインを提供していました。NHKのすてきにハンドメイドにも2回出演させていただきました。

東京に手芸店を開いて、そこで編物教室をしたり、手芸用品も販売していました。ニット作家を中心にした作家さんの作品を委託販売していた時期もありました。

JamesDeMers / Pixabay

委託販売を引き受けてみてわかったことが数多くあります。思い出しながらいくつか書いていきます。

今はハンドメイド・編み物の世界を離れたから、落ちついて考えられます。その当時は業界の渦の中にいたのと、無知だったせいで、まったく冷静な判断ができませんでした。

委託希望の作家さんを見続けての真実

作家さんの作品を見る前に、その方の態度が常識のないものであれば、まず売れない。というより、社会人としてやっていけないでしょう。

なかには、アポなしで突然おしかけてきて、こちらの忙しい状態などを考えることなく居すわる人などもいました。

委託をおことわりしたら、ストーカーのようにつきまとってきた人もいました。

自分の作品を客観的に見れない人は、本当に困りました。

売れる人は良くお店に顔を出して、お店の様子と自分の作品や周りの売れている人の作品などをよく観察していました。売れない人の作品は、いつのまにか埃をかぶって、ますます奥に追いやられることになります。

そして売れる人は、みんなおしゃれです。これには例外がない!!  センスが良いのです。洋服のセンスって、その人の持っているセンスのすべてが現れます。

服装に流行のエッセンスをさりげなく取り入れているのです。ということは作品にも、その時代の空気を表現できるということなのです。

いろいろアドバイスすれば売れるようになるかな、などと思ったりしたけど、洋服のセンスが良くなった人はいませんでした。みんな変らないのです。作風もかわりませんでした。

その当時は言えなかったけど、センスって変わらないものなのです。センス悪いと自分でわかったのなら、センスが悪くても影響のない仕事をしたほうが、時間の無駄になりません。売れないなどと苦しむこともありません。

でも、そもそも作家さんたちは、自分がセンスがないと自覚する人が少ないのです(苦笑) 自分のセンスは棚に上げて、まわりの環境のせいにする! そしてまわりがわかってくれたら売れると言うのだけれど、まわりは正直です。あなたのセンスが悪いということだけはわかってくれます(笑)

手作り作品を作ることは誰にでもできるけど、売れる作品を作れる人は一握り

手作りの作品は、ある程度学んで努力すれば作れるようになります。なかにはお金をかけて勉強しなくても、独学で驚くほど上手に作る人もいます。

でも早くきれいに作るコツは、先生について勉強したほうが断然早いですよ。

この場合の「作品」とは、自分や家族が使うレベルのものです。

これを商品として店頭に並べたら売れるか? まず売れません。そんなに甘いものではありません。

はっきり言って、手作り作品は実際はなかなか売れません。

ハンドメイドだから高くても売れるというのは妄想に過ぎない

作家さんは、みなさん、
「手作りの1点ものです。」
「心を込めて作りました。」
「こだわって作りました。」
と言います。

でも、ほとんどのお客さんにとっては、手作りだろうが、1点ものだろうが関係がありません。自分の好みで、自分が買える値段のもので、必要なものだったら買ってくれます。お客様の困ったことを解決してくれるものだったら、宣伝しなくてもだまっていても売れます。

ここで重要なことは、手作りの1点ものということも、心を込めたということも、作家の都合だということです。お客様は手作り作品が欲しいのではなく、自分の悩みや自分のニーズを満たしてくれるものが欲しいのです。

ハンドメイドの1点ものだから高くて当然というのも、同じ理由で間違いです。作るのに多くの時間がかかっているのなら、時給で計算したらめちゃくちゃ高いものになるでしょう。でも、時間がかかろうが材料費が高かろうが、お客さまにとっては、小島よしお流に言えば「そんなの関係ねぇ!」 です。

こだわって作ったからと言っても、これもまた「そんなの関係ねぇ!」 です。こだわって作ったのは、自分が好きでそうしているだけです。お客さまの立場ではない。こだわって作ろうが、あっさり作ろうが、必要なものだったら売れるのです。

多くの場合、こだわるということはコストがかるというこです。お客さまは、手作りだろうが、工場での量産品だろうが、自分が必要なもので自分が買える値段だったら買ってくださる。

売れないということは、必要のないものか、買える値段ではないということなのです。

必要なものだったら高くても売れるのです。必要ないものだったらどんなに安くても売れません。

「でも ○○さんの作品は高くても売れてる。私の作品だって売れるはず! 」
と思うかもしれません。ここでよく考えてほしいのは、○○さんの作品はお客さまの欲しいものを作っているから売れているのです。あなたの作品がお客さまのほしいものなのか?

きれいに作品の写真をとってSNSで見せて、ついでに自分も美しく着飾ってお化粧をして、ブランディングだからって毎日自撮りのキラキラ画像をのせて、お客さまを無理やりファンにさせて一時的に売れたとしても、長続きはしません。

ファンて作家が作るものではなく、作品がよければ勝手にできるものなのです。

お客さまの感情を操作して作品を売ってその時は売れても、感情がさめればお客さまは去っていきます。

大事なのは作品の中身です。お客さまにとって魅力的な作品であるかどうかです。本当に必要なものなのかです。

そして作家として長くやっていくためには、お客さまの必要なものを察知して、お客さまの必要な作品を作り続けることが必要なのです。時代の空気を読んで、時代が必要としてるものを作り続けなくてはいけないのです。

cocoparisienne / Pixabay

ハンドメイド作品は作れる数に限りがある

ハンドメイド作品を売ろうと思ったら、まずは自分が作れる作品の数を考えてみてください。

1ヵ月に何個つくれるのか?

手編みの帽子を売るとします。1個売れたら2000円の利益が出ると仮定します。利益とは、売上から、材料費や手数料やお店までの送料や梱包資材などの経費を除いたものです。

この帽子が月に20個編めたとして、2000円 × 20個 =40000円 が利益としてあなたの手に入る金額です。

しかも、これは全部が売れた場合の金額です。実際には全部売りきるのは難しいです。

これで食べていけるか?

4万円では生きていけません(涙)

逆に必要な生活費を得るために、作品を何円にすればいいか計算すると!

先ほどの手編み帽子を月に20個編めるとします。生活費に最低20万円は必要だとします。

20万円 ÷ 20個 = 10000円(利益が)

10000円の利益を得るためには、ニット帽に何円の値段をつければいいか?  材料費や手数料やお店までの送料や梱包資材などの経費をもろもろ考えると、30000円以上に値段をつけなくてはなりません。

はたして3万円以上するニット帽が、月に20個売れるか?

むずかしいでしょう。

数人、機械編み作品を主に販売して生計を立てているニットデザイナーさんを知っています。機械編みだと手編みよりは早く編めるし、実用的ながらも高価な値段をつけることができます。販売するところは、ほとんどがデパートや高級ブティクです。決して雑貨屋ではないのです。

手編みのウエアを販売して、年間3千万以上の売り上げをあげている人も知っています。でも、この方の場合はニッターさんやスタッフをかかえ、売り上げと同じか、それ以上の経費がかかっているだろうと想像できました。しかもニッターさんはどんどん少なくなり、この先、もっと量産するのはきびしいでしょう。ということはこれ以上は実績が伸びないということです。

趣味の延長でおこずかいを稼ぐ程度ならいいけど、それで食べていくとか、家族を養うとか、お金持ちになるなんてことは、ハンドメイド作品を作って売るだけならむずかしいのです。

Greyerbaby / Pixabay

なんのために作品を作って販売するのか?

私の場合は、なんのために起業したのか?

それは、楽しく仕事をして利益を得られるようになりたいからでした。

なのに、今まで書いてきたような商売の原理原則を知らなかったばかりに、やればやるほど苦しむことになりました。

仕事って、楽しい人生を送るための手段だったはずです。仕事をすることが人生のすべてではないのに、仕事がいつのまにか人生の目的にすりかわっていました。

仕事は楽しい人生を送るための手段なのです。仕事に命をささげることはない。仕事 = 人生 ではないのです。楽しい人生を送るために、仕事のやり方を変えるか、仕事そのものを変えればいいのです。

引退した今だから冷静に分析できるようになりました。その時は、気合と根性で頑張ればいつか成功するって思っていました。でも、あのまま仕事を続ていても絶対に成功はしなかったでしょう。

上の計算をしてみればわかります。私の作品はお客様に必要とされていなかった。手編み教室も、手芸用品も、マーケットサイズが小さすぎました。しかもますます縮小しています。

手芸屋を開店する時に、こういう現実を教えてくれるところがまったくありませんでした。だから、私は正直にこうして情報を公開しています。

少しでも参考にしていただければと思います。

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ITSUKO: 高齢の母のため秋田県大仙市の実家に移住。元ニットデザイナー。NHKのすてきにハンドメイドに出たり、手芸本に作品を提供していました。実家の森川農園の手伝いもしています。森川農園ではアスパラガス・ダリア・野菜・米をなどを栽培しています。2018年乳がん発症闘病中。両足人工股関節。 カザフスタンの歌手 ディマシュ クダイベルゲン dimash のファンです。 農家めし雪国の自然農のブログも書いています。 コロナウイルスをきっかけに世界情勢に目覚めました。日本大好き。美しい日本を守りたい。参政党を応援しています。 くわしいプロフィールはこちらです。 トップはこちら