うちの母と同年代のこの方、若宮正子さん。
若宮正子(わかみや・まさこ)氏
1935年生まれ、84歳。三菱銀行(現・三菱UFJ銀行)を定年まで勤め上げ、3年間の関連会社勤務を経て退職。リタイア生活に入るのを機にパソコンを独学で習得。自宅でシニア向けパソコンサロンも主宰。2017年にiOS向けひな人形位置当てゲームのアプリ「hinadan」を開発。同年6月には、米アップルが開催する世界開発者会議「WWDC 2017」に世界最高齢の女性開発者として特別招待され、一躍注目を集める。『60歳を過ぎると、人生はどんどんおもしろくなります。』(新潮社)など著書多数。
世界最高齢のアプリ開発者 若宮正子さん
(写真:鈴木愛子氏)
若宮正子さん プロフィール
ウィキペディア(Wikipedia)より
三菱銀行を定年退職後、母親の介護をするために外出が減り、それまで付き合いのあった友人らと疎遠になってしまったことから、パソコン通信で友人を作るためパソコンを購入した。購入後、3か月かけてパソコン通信に接続し、「メロウ倶楽部」に参加した。紙袋やしおり、ブックカバーなどのデザインをMicrosoft Excelの罫線機能とセルの塗りつぶし機能を用いて作成する「エクセルアート」を考案しマイクロソフトから「エクセルの新しい使い方」であるという評価を受けた。2014年には「TEDxTokyo」に登壇し、英語でスピーチをしている。
スマートフォン用ゲームの多くは若年層向けに作られていて、シニア世代が使いやすいものではないということに着目し、2016年夏ゲームアプリの開発に着手した。小泉勝志郎からプログラミングの教えを受けて開発した、雛人形をひな壇に正しく配置するiPhone用ゲームアプリ「hinadan」は、App Storeにて2017年2月に配信が開始された。81歳でアプリを開発した実績からWorldwide Developers Conference 2017に招待され、アップルCEOのティム・クックからは「世界最高齢のアプリ開発者」と紹介されている。さらに、2018年2月の国際連合総会では、高齢化社会とデジタル技術の活用をテーマに基調講演を行った。内閣府が主催した「人生100年時代構想会議」にも82歳の最年長メンバーとして参加した。
旅行先で撮影した動画を編集してYouTubeに投稿するYouTuberとしても活動している。
すばらしい!!
パソコンなんて触ったこともない、携帯さえ持っていないうちの母。足腰は弱り、認知症の症状も出て、テレビのドラマの内容も今はもう理解できません。新しいことに挑戦しようなんていう意欲は、もはやありません。一緒にいると何度も質問されるので、イライラしてしまい、ごはんを食べた後は自室に引き上げる私。
若宮さんと比べること自体、若宮さんに失礼なのだけど、あまりにも違っていてもうビックり。
この差はどこからくるのか考えてしまいます。
彼女は、とにかく新しい事に挑戦している。それに海外旅行に行ったり、人と会ったり、会議に出たり、他の人と交流する事が好き。こうして外へ出ることで、足腰の筋肉の低下も防げるのでしょう。
記者:テクノロジーの進化についていくのは大変だったのでは?
若宮:いいえ。何しろ新しいもの好きなので、新しいテクノロジーが登場するたびに、ワクワクしながら生活に取り入れてきました。テクノロジーは、心身の機能低下を補い、生活を便利にしてくれるありがたい存在です。例えば、記憶力。誰でも年齢とともに記憶力が低下していくものですが、記憶はコンピューターの得意分野。「覚えるのはコンピューターに任せて、忘れたらその都度検索すればいい。自分はどんどん忘れてもいい」と割り切ったら、一気に気が楽になりました。
なるほど Σ(・□・;)
こういう柔軟な考え方ができるのね。
がんこで融通が利かないのも、うちの母の悪いところ 😢 反面教師だわ~~~
若宮さんに爪をもらってきて、母と私で煎じて飲みたいです。
そして、私の20年後はこうありたい!!
記者:若宮さんのように、何歳になっても好奇心や若々しさを保ち、楽しく日々を過ごしたいものです。他にも40代の皆さんへのアドバイスがありましたらお願いします。
若宮:「老後のために、今我慢する」なんて意味がないとお伝えしたいですね。人生は予測不能。今は社会もどんどん変わってきているから、先のことを考えて準備しても、ムダになる可能性もありますよ。
特に40代は公私共に忙しいので、「趣味は老後の楽しみに取っておこう」と我慢したり、「老後資金をできるだけ増やそう」などと生活費の節約に励んだりする傾向がありますが、やりたいことはやってほしいし、行きたいところには行ってほしい。とにかく「今」を充実させて「人間力」を高めることを心がけてほしいですね。
この先、AI(人工知能)が台頭する時代が本格的に到来した時に求められるのは「人間力」にほかなりません。プログラミングの知識がなくても、誰でもアプリが簡単に作れるような時代が必ず来る。その時に、人間力がなければ、人がどんなものを求めているのか、何があれば便利なのか、さっぱり分からない。何も生み出すことはできません。せっかくのテクノロジーの恩恵を享受できないなんて、本当にもったいないですよね。
私はもう60代だけど、気持ちは40代なので、このお言葉、そのまま教訓にさせていただきます。好きなことに挑戦して、感性を磨き、人間力を高めます。
最後に若宮さんからのアドバイスのまとめです。肝に銘じます!!
若宮正子さん【40代の皆さんにお伝えしたい4つのメッセージ】
1.大いに忘れましょう
年齢とともに記憶力が衰えていくのは当たり前。「覚えるのはコンピューターの仕事」と割り切りましょう。ネットで検索すれば、周辺情報まで手に入るというメリットも。大いに忘れて大いに調べましょう。
2.「“今さら”は禁句」です
「今さら始めても遅すぎる」などと思わず、興味がわいたことは楽器でも語学でも何でも手をつけてみましょう。「モノにならないかも」などと心配しないこと。いつ何が役立つなんて、分からないのですから。
3.「老後の準備」なんてナンセンスです
世の中はどんどん変わるので、「老後のため」などと考え準備していることが全部ムダになることもあり得ます。特に「老後のために、今は我慢する」なんて、全く意味がない。「今を充実させること」だけを考えましょう。
4.人生は風待ち。焦る必要はありません
周りと自分を比較して一喜一憂するのはやめましょう。私のように80代にもなると、40代に気にしていたことはすべて、単なるちっぽけなエピソードに過ぎません。人生は風待ちのようなもの。今、自分が沈んでいるように感じても、今を精一杯楽しく生きれば、自分が輝ける時期は必ず来ます。
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