現代ビジネスにのったカザフスタン暴動の解説を読みました。
今までとちょっとちがった視点からの解説でした。
カザフスタン騒乱は結局、前大統領の国家私物化親族の謀略だった @gendai_biz https://t.co/PkCRjeWFQy #現代ビジネス
— Seansasha (@seansasha) January 18, 2022
要約
カザフスタン騒乱は結局、前大統領の国家私物化親族の謀略だった(現代ビジネス)
今回の事態で言えることはふたつ
・ 今回の事態はロシアが仕組んだものではなく、ロシアにも予想外のことだった
・ この事件は、ナザルバエフ前大統領の親族が公安機関を巻き込んでの利権保持を図ってきたことが強くからんでいる
もう少しくわしくお話します。
トカエフ大統領が2019年6月、大統領選で正式に選出された後も、実権はナザルバエフ前大統領とその側近にあった。
しかし国民には、ナザルバエフ自身が権力にしがみついているのか、そうではなくて彼の側近が権力と利権にしがみついているのが原因なのか、わからなかった。
今回の暴動の流れを見てみると、1月2日、LPGの値上げをめぐってデモが起きた。このLPGの価格は国の補助金で安価に抑えられてきた。この1月から全量が電子入札で決まることとなった。これとともに補助金が撤廃されて、価格が2倍に跳ね上がったことが、今回デモの引き金である。
そしてデモに対する政府の動きは、価格補助金の復活を決めた。5日、デモ隊の要求に応える形でマーミン首相を更迭した。
しかし、5日アルマトイではデモ隊に「あの老人(ナザルバエフのことと思われた)は失せろ!」という政治的なスローガンが聞かれるようになる。同時にどこから手に入れたのかわからない武器を持った一団、そして日当で動員されたと思われる屈強な青年たちがデモに加わり暴動化した。
そして多くの目撃者が指摘しているのは、ここでカザフスタンの公安は動かなかったどころか、アルマトイ空港の警備を解除し、叛徒が占拠しやすいようにさせたというのである。
こうした中、トカエフ大統領は5日、国家安全保障会議議長に就任したと発表し、マシモフ国家保安委員会議長を解任、8日には反逆罪の疑いで逮捕した。マシモフはナザルバエフ前大統領の側近だった。
中央アジア各国の報道から推測できることは下のようなことだ。
ナザルバエフ前大統領の長女ダリガは長年、大統領になりたい野心を隠さないできたが、2020年5月突然トカエフ大統領に、上院議長の座から解任されている。
11月にはナザルバエフの報道官が、「ナザルバエフは与党ヌル・オタン党首の地位をトカエフに譲る決心をした」と発言し、12月末にはトカエフとナザルバエフが連れ立って、サンクト・ペテルブルクでの旧ソ連諸国(NIS)首脳会議に出席している。これはナザルバエフがいよいよ完全引退してトカエフに全てを託す決意を固め、プーチンにそれを伝えに行ったのだ、と解釈できる。
これまでナザルバエフの威を借り、国家保安委員会を操り、かつダリガを後継者に推戴することで利権を守ろうとしてきた親族たちはあせり、このデモを利用してトカエフ政権を覆そうとした。
失敗すると、プライベートジェットで国外に逃亡した。
トカエフ大統領は11日の議会演説で、「今回の事件は長年準備されてきた破壊活動である。国家保安委員会は、危険なことが国内で進行しているのに反応しようとしなかった」と述べ、マシモフが破壊活動を幇助したことを示唆している。
トカエフ大統領は、破壊活動を準備してきたのが誰かは言わなかったが、11日議会演説では、ナザルバエフの親族が差配する国家資産委員会や開発銀行の財務を徹底的に掃除すると言っている。
トカエフ大統領は、簡単にはガバナンスを固めることはできないだろう。これからも、デモ、暴動は起こり得る。
だがロシア、中国、米国、インド、イランなどが入り乱れての、地域の枠組み大変革は起こらないだろう。なぜなら「騒動が起きれば、集団安保障条約機構の兵力が一時的介入で外科手術」という事例が今回の暴動で出来上がってしまったからである。
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なるほど!
ナザルバエフ前大統領の甥の一人は、石油利権で得た莫大な財産で私軍を持っていたという報道もあったそう。ISISから戻っていた若者が、そこの私兵になっていたということも言われています。
わいろが日常茶飯事。まともに働くより利権を得ることが金持ちへの条件。まだまだカザフスタンではそんな悪しき習慣があるのです。
以前にも述べましたが。ここは地政学的に非常に大事な場所。一帯一路のスタート地点であり、ユーラシア大陸の中央。そして豊富な地下資源。
今後もカザフスタンの動向から目が離せません。
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